世界のコメ課題にのぞむ研究者たち

教授  山崎 将紀

日本発「新たなコメの世界拠点」の構築を目指し、
地球規模の課題に立ち向かいます

新潟大学 コメと環境の国際イベーション共創センター(iRICE)
センター長
教授 山崎 将紀(研究・品種開発)

日本を含むアジアの主食はコメであり、その安定供給が各地域で求められていますが、脅かされる事象が頻発しています。「地球沸騰化」と表現される、地球規模での異常気象が毎年のように起こり、特に新潟市では 2023年8月に日平均気温 30.6℃(平年値より約4℃高く、全国で最高値)という猛暑も原因となり、新潟県産「コシヒカリ」の品質が過去最低を記録しました。2024年は気温の大きな変動や強雨のために、新潟県産「コシヒカリ」は倒伏が頻発して収量が低下し、コメ生産者の売上が落ちました。これからも続くと予想される異常気象に対抗するべく、新たなコメ生産技術を開発していく必要があります。
私たちは国内外の異常気象やコメの栽培状況を考えて、高温、干ばつ、塩害に対抗できる新品種を育成していきます。また、水田由来のメタンを含む温室効果ガスの調査と削減に向けた取り組みのために、「コメと環境の国際イノベーション共創センター(iRICE)」を設立します。iRICE の目的にご理解いただき、応援をよろしくお願いいたします。

教授  藤巻 義博

グローバル産官学が連携して地球規模のコメ問題解決へ

新潟大学 コメと環境の国際イベーション共創センター(iRICE)
戦略室長
教授 藤巻 義博(全体統括・戦略・国際連携・社会実装)

気候変動や異常気象は、もはや一国だけで解決できる問題ではありません。農業における影響も深刻化しており、主食であるコメの安定生産は、アジアを中心とした多くの地域において共通の課題となっています。
水田は、私たちの食を支えると同時に、メタンや窒素(N₂O)といった温室効果ガスを大量に排出する場にもなっています。これらのガスは地球の気温を上昇させ、異常気象を招き、結果としてコメの品質・収量の低下など、コメづくりそのものに深刻な悪影響を及ぼすという、負の循環を生み出しています。
こうした地球規模の課題に対し、新潟大学では、日本国内にとどまらず、海外の大学・研究機関・自治体・企業と連携し、「産官学の国際連携」によって解決を図っていくことを目指しています。
このたび設立される「コメと環境の国際イノベーション共創センター(iRICE)」は、まさにその挑戦の中核を担う拠点です。高温・干ばつ・塩害などへの適応品種の開発や、新技術による温室効果ガス排出の抑制など、研究だけにとどまらず社会実装までを視野に入れ、世界の知と技術、そして志を結集して、未来の農業を共につくっていきます。
私たちは本拠点を通じて、「新たなコメの世界拠点」の構築を目指し、地球規模の課題に立ち向かいます。iRICE は、「日本発の知」を活かし、世界50億人の主食であるコメを守るという使命のもと、グローバルな課題解決に貢献する新しいモデルを切り拓いてまいります。皆様のご理解とご支援を心よりお願い申し上げます。

iRICEの主な研究者(全体で計25名体制)

三ツ井 敏明

新潟大学
社会連携推進機構 教授
三ツ井 敏明(品種開発)

長谷川 英夫

新潟大学
農学部 教授
長谷川 英夫(スマート農業)

鈴木 一輝

新潟大学
農学部 准教授
鈴木 一輝(微生物)

永野 博彦

新潟大学
農学部 助教
永野 博彦(温室効果ガス)